樹木希林さんから学んだこと
先月、樹木希林さんが亡くなりました。
自然体で、飾らない独特の魅力がある方だなと思っていた方の、訃報。
ニュースを知ってから、樹木さんの言葉で印象深かったことと、思ったことを書いてみます。
「人に、自分のことが怖いと言われ事があるるけれど、それは欲がないから、だと思う。欲や執着があるから、それが弱みになって、そこにつけ込まれてしまう」
樹木希林さんは、自分には怖いことがほとんどないと昔から言っています。だからこそ、思ったことを言えるし、行動できる。まずいことをしてしまったら率直に相手に伝える訳ですから、相手からしたら怖いと思われるでしょう。
私を含む多くの人は、相手が横暴な態度をしてきても、何となく指摘して面倒なことになりたくないから、と言わずに我慢してしまいます。そうすると、相手は、この人になら甘えてしまっても大丈夫、と思われてしまいかねません。
正直、相手によって横暴な態度をとる人間などろくなものではありません。お店の店員さんがなにも悪いことをしていないのに怒鳴っている人をたまに見かけますが、ろくでもない人でしょう。
けれど、こういう人は、相手が自分に反論してこないことを分かってあるからそうした行動をしているのです。
なので、毅然とした態度で、相手に自分の思いを伝えれば、案外と退散するものです。
それをするためには、やはり恐れないこと、樹木さんの言葉を借りれば、欲や執着を持たないことでしょう。
相手に本音を言えないのは、例えば店員が客の不当な対応の場合は、反論するとクレームとなり、お店が非難される可能性があることと、自分がクビになり、生活が出来なくなるかもしれない、と思うからです。
同僚に本音が言えないのは、その相手とこじれたら、やはり仕事に支障が出るかもしれないと思うからです。
実は、本音が言えない理由は、生きることへの執着に原因があります。
大金持ちなら、別に本音を言っても生活していけます。
そうでない場合は、仕事を失っても、別にほかの仕事をすれば生きていけるしいいや、という身軽な生活をしていればいいわけです。
自分自身、必要なものだけに減らし、自分の人生に対して深い洞察をするようになってから、今までは相手に気に入ろうと無意識に媚びてしまった態度をしてしまっていたことに気付き、徐々に変化しています。
なにも恐れずに、相手が甘えてきたり失礼な態度をしてきたら指摘する。
それをするためには、欲や執着をなくすこと。
これは、普段社会生活を送る上で生きやすくなるために大切なことだと感じました。
そして、そうした心境に至るために必要なのは、やはり、心を整理することが大切です。
心を整理するためには、ものを整理すること。
樹木さんは、自分が歳をとり、病気になり、死というものが近づいていることから、自分が死んだ時に、家族が困らないように遺産等の整理をしていたそうです。
自分は、まだ20代の後半ですが、いつかその時が来るのは確実です。
もし、近いうちに自分が死んでしまったら、結婚をしていないので、親や兄弟に後のことをしてもらうことになるでしょう。
今、そうしたことが不慮の事故等でやってきたら、ものがとても少ない暮らしをしているとはいえ、かなり影響を与えると思います。
そう考え、ノートを購入し、まずは自分の家族に対する思いを書いておこうと思いました。
そして、多くはないが自分の遺産をどうしていくかを書きました。
縁起でもないことを、と考える人もいるかもしれませんが、こうしたことをすることが、生きている時に、欲や執着をなくして、自分に対して失礼な対応をしてくる人に対するエネルギーになるのではないか、そんなことを考えました。